2001年4月22日/5月3日『アーシング(Grand Wireの強化)』
今、巷で流行の地味なパワーアップアイテム、アーシング(Grand Wireの強化)に挑戦してみました。
「アーシング」とは、もともとハイパワーアンプのアースを見た目と共に強化するためにオーディオ屋さんが行っていることをエンジンに流用したもので、 バッテリーのマイナス端子からのボディアースを増強することで、電気の流れをよくして「点火を強化」。結果として燃費とパワーの向上を狙うものです。
プラス側(ハイテンションコード)の強化は通常よく行われますが、バッテリーに戻るマイナス側(アース)が貧弱ではせっかくのハイテンションコードも活きません。 そこでアースを増強することにより、サーキット全体の電導効率を積極的に上げることが効果的と思います。

エンジンへのアースボディへのアース
サターンSC2/3door99年式のストック状態のバッテリーマイナス端子からのアース状況を見てみよう。

・エンジンブロックへアース
・エンジンルーム内ボディへアース

とバッテリーマイナス端子からは2本出ている。

施工前に基準となるバッテリー端子間電圧とバッテリープラス端子とボディやエンジンブロックの各電圧を調べてアーシングポイントを探ります。
また、電圧だけでは判りにくい場合は、バッテリーのプラス端子も外してオリジナルのアース位置からエンジンブロック各部の抵抗値でアーシングポイントを探ることも可能です。


※各所の電位差または抵抗値でアーシングポイントを探りますが、結果はあまりに微妙なので敢えて言いません。 アーシングは、あくまで施工する人の楽しみとセンスで設置場所を決めればそれでいいのです(^_^)

使用したケーブル必要な工具
必要なものは、

・何はなくともOFCグランドケーブル(8sq)
・圧着端子、圧着ペンチ、電気テスター、スパナなど各種

※テスターは微妙な針の振れ加減で電圧や抵抗値を判断しようとゆう意味もあり、手持ちのアナログ計を使用。
※電工ペンチは専用のものでなく、これも手持ちのネットワーク接続に以前よく使われた「10BASE-2/5同軸ケーブル」を作るための圧着ペンチ。

※ぢつはこの10BASE-2同軸ケーブルは8sqのケーブルとほぼ同じ太さで、スリーブの直径も丁度合う。テコの応用でかなり強力にスリーブを6角形に圧着しワイヤーを包む。10BASE-5なら16sqも作れる。
中央は同軸ケーブル用ワイヤーストリッパ(クルっと回せば被膜だけカットできる)

純正パーツのアースを模擬新たな追加用を制作
写真左上のケーブルがバッテリーのマイナス端子からエンジンブロックとボディへアースしている純正パーツそのものです。
今回は純正パーツと同型式のもの(写真左下)を作って同じ位置に配置しました。
メーカー純正の配置をまず補強するのはアーシングの定石ですから、まずはそこからやり直してみました。


※今回は気合いを入れて作ってみました。細かいですが圧着した端子からハミ出るケーブルの撚線は圧着端子にハンダで蓋をしてあります。圧着にハンダは不要ですが見栄と気持です(^^ゞ また圧着端子も前回はジャンクでしたが、新しく購入した厚みのある物に付け替えてあります。

バッテリー端子周辺(図1)設置個所(図2)
配置した5本のグランドケーブル

・マイナス端子から純正エンジンブロックへ補強(図1中央)
・マイナス端子から純正ボディアースへ補強(図1右下)
・マイナス端子から延びるケーブル2本(図1右上)
・マイナス端子から右エンジンマウントへ新規(図2中央)
・マイナス端子から右ストラット上端へ新規(図2左上)
・エンジンブロック前方へ新規(図2右下)


※オリジナルのアースはそのままで、2本補強。3本(1本は共締め)新規追加してみました。4本はバッテリーマイナス端子から直に結線です。 バッテリーマイナス端子周りが煩雑になってしまいましたが、なかなか本格的です(^_^)
※後で知ったのですが、2000年以降のモデルはエンジンブロックへの純正アースは2本に追加されています。 ちょうどと同位置なので、ポイントは外していませんでした(^_^)

●TIPS
走行インプレですが、ずいぶんクルマが軽くなったような感じがします。1名乗車と2名乗車の違いくらいの体感で、サターンが1900→1950ccになった感じです。 施工前と施工後で燃料残量・気温・天候もさほど変わっていないため、やはりアーシングが好影響していると思われます。 本当の処はダイナモで出力の計測をしてみないと証拠は出せませんが、個人的には体感上良くなっていれば大成功と言えます。
もうひとつ、今回のアーシング施工で変わったことはヘッドライトが明るくなったと感じたことです。実測データが無いのでこれも証拠は出せませんが、 他車種でのアーシング施工で「ヘッドライトが明るくなった」とゆう人がいますので、まんざら根拠がないとも言えません。確かに明るくなっています。 これは、このサターンの純正アース2本のうち1本はRelay&Fuse Boxの近くに落としてあるので、そこを補強した結果と見てよさそうです。 もちろん次のアイテムはハイテンションコード。のろぢぃは3万円以上するので買えません。半額のうるとら製を近日注文予定です。


※サターンは比較的新しい車種なのでボディアースもうまく分岐がされていたり、プラ部分が多いのでマイナスもアースでなく配線してあり、 じゅうぶんに電気は廻っていると思えるのですが好影響するようです。 プラグコードやプラグを変えたチューンに似ていると思いますが、それらも否定はされていませんのでアーシング施工も否定はできないと思います(^^ゞ 現実にアーシング施工のためのパーツもカーショップで市販されています。面白いので、アーシング施工に関してはもう少し追跡調査をしてみようと思います。
※この施工をショップで行うとそれなりの金額が掛かりますが、実際に使用するパーツは個人でもショップでもまったく変わりません。 ということは圧着の手段さえ持っていれば、ショップ費用を浮かして22sqケーブルや端子板などのもっと高級なパーツを使うこともできます。 後はノウハウですが、アーシングに関してはWeb上でも相当数の実例が載っていますので、参考にして自分の技術にしてしまいましょう。

※実際のアーシング施工は賛否両論と思います。しかしアーシング施工の経験のないショップやディーラー、否定的先入観を持った人に可/否の回答は出せません。 自分自身で実際に行ってみて可/否の回答を見出してください! そもそもクルマの改造は、ほとんどのモノが主に自己満足です。結果も含め、自己責任の範囲に於いて「自主性・主体性」を持って行えない人はストック状態を維持しましょう!
※バッテリー端子を外す際に、純正オーディオのセキュリティを掛けている方は、ロック解除するか、ロック番号を覚えておかないと後でオーディオが使えなくなります。 解除方法やロック番号を忘れてしまった場合はサターンのオーナーズマニュアルを参照して下さい。