1999年8月『エアコントラブル』 購入2週後の8月中旬、中央道・首都高・東北道・青函をフェリーで渡り、快適な真夏の北海道往復ロングドライブをして帰って来たら車内のフロアが水浸し。これって?... |
北海道ロングドライブは割合するが、帰って来て後席のフロアに置いた段ボール箱の荷物を運び出そうとしたら、底が抜けてしまった。
見たら、段ボール箱が水を吸ってグニャグニャになってる。何故こんなことになっているのかサッパリ分からなかったが、どうもフロアマットも湿っぽい。
「お茶でもこぼしてしまったのか?」と思い、天気のいいに日に窓を開けてクルマを干した。
買ったばかりなので休みの度に乗り回すが、止めて置くと後席下部から水が落ちている。エアコンの水がたまたまフロア下を伝わって後ろに回っているのだろうと思っていたが、 この湿っぽい症状はどんどん悪くなり、センターコンソールのパワーウインドウスイッチからは湯気が出ている。車内もウインドウの車検票が 水を吸ってふにゃふにゃ。「これはおかしい」とフロアマットを外して、その下にあるゴムマットをめくって見たら、全席水が泳いでる。「なんだこりゃ!」 エアコンのドレイン排水がまったく前から出ていないこともおかしい。「これはエアコンの排水が車内に廻ってる」と直ぐ分かり、サターン八王子に持ち込んだ。 エアコンの排水が車内に廻ってるようだと言うと、サターン八王子では「シャワーテストをしてみる」という。朝クルマを預けて午後に電話をしてみたら、 原因が判らないという。だから「エアコンの排水が車内に廻ってるんだよ〜」と最初から言ってるじゃないかー。 ようやくサターン八王子でもその事に気がついたらしく、夕方に再度電話をした時には「ドレインにパイプを付けて、カーペットを張り替えた」といって修理がやっと完了した。 散々に水を掛けて試したらしくエンジンルームの鉄板の継ぎ目には白いコーキング剤が盛られ、エアコンのテストでエンジンをずいぶん回したらしくガソリンも無くなっていた。 クルマは雨の中を走ってもエンジンルームは濡れない。これは当たり前なので見当違いのコーキング剤の修理に「ちょっと手際が悪いなぁ...」と感じてしまった。 エンジンルームを下から見た人は知っていると思うけど、サターンのエアコンドレインにはパイプが付いていない。車内のエアコンからのドレインは、車内からエンジンルームへ ほとんど面一状態にあり、そのままエンジンルームへ垂れ流しである。マフラーに水がかかり「じゅうじゅう」と音がするのはそのためだ。もちろんコストダウンと運用上問題なければ この設計はまったく構わない。ただ、数mmのエアコン取付ミスでドレイン口が車内側に凹むと簡単にこのような事が起きる。明らかに製造上起こり得る不具合ギリギリの設計と言える。 サターンへの信頼は一気に無くなった。 やはり品質に関しては悪いようだ。この先もどんなトラブルがあるか心配になった。やっぱり「買うんじゃなかった」と、このとき思った。 売れてないものは、商品自体にそれなりに売れない理由があるものだ。 まだ1ヶ月以内だったので、1,500km以上走っていなければ、返品してサターンとはサヨナラするところだ。 買って数日で車内を解体され、エンジンルームはコーキング処理じゃまるで事故車だよ。まったく気分は悪いし、荷物は濡れるし散々なクルマだ。 コストダウンのためとは言え、スポーツカーなら走りと実用性のバランス上、ギリギリの設計で走り以外のマイナートラブルは許されもするが、 実用車は「全てが及第点で、長期に渡って維持されるのが当然」とクルマのタイプの中では最も厳しい性能を要求される。 この一番に要求される実用耐久性に問題があるのであれば、日本のユーザーは決して見逃さないだろう。 ただし、サターン八王子のサービスの対応はよく、このサターンというクルマは明らかにリテーラーのサービス体勢とセットで売り出されたものと気付く。 つまりリテーラーのサービス無しではこのクルマは維持できない。これがサターン日本上陸の「礼をつくす」と言わざる得ない本心なのだと思う。気に入って買ったんだから、メーカーが長く乗せてくれないのだけは勘弁してもらいたい。 真夏を1ヶ月近く走ったクルマのエアコンの排水量を思うと、どれだけ大量の水浸しか想像できると思う。 このせいかオーディオのステー廻りはこの時点でサビだらけで、湯気に浸ったパワーウインドウのスイッチも近々壊れることは十分予想される。 電装のショートで火災事故の発生もあり得るため、サターンがこのエアコンドレイン不具合をリコール届出しなかったのは不思議である。 この3ヶ月後に行われたGM・サターンジャパン主催の「グループインタビュー」の時にも「水浸しには参った(荷物を弁償しろとは言わなかったが...)」と言っておいた。 マフラー「じゅうじゅう」の苦情も多く、他にもドレイン排水車内流出トラブルもあったのだろう。 それから半年以上経ってサターン純正補修部品として、点検で持ち込んだ際にドレインパイプ取付処置となり、サターンは構造上不具合が発生することをようやく認識・対応したようだ。 皆さんのサターンはホースキットで補修してありますか? 車内水浸しはなんとか解消した。しかし、実用上のトラブルは他にも起きる。続く... |